ネットの診断・テスト 潜むリスクの見極め方
ネットやSNSで見かける診断・テスト、安易な利用には注意が必要です
SNSやウェブサイトで手軽に楽しめる性格診断や相性診断、スキルテストなどは、ちょっとした息抜きや自己発見のきっかけになるかもしれません。しかし、中には潜在的なリスクを伴うものも存在します。これらの診断・テストを安心して利用するためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。本記事では、オンライン診断・テストに潜むリスクと、その見極め方について解説いたします。
オンライン診断・テストに潜む主なリスク
多くの診断・テストは健全な目的で提供されていますが、残念ながら悪意を持って設計されたものも存在します。利用者が陥る可能性のある主なリスクは以下の通りです。
1. 個人情報の不正収集
診断結果を表示するために、氏名、年齢、性別、メールアドレス、SNSアカウント情報などの入力を求められることがあります。これが悪意のあるサイトであった場合、入力された個人情報が名簿業者に販売されたり、フィッシング詐欺や迷惑メールに利用されたりする可能性があります。特に、SNSアカウント連携を安易に行うと、意図しない情報(友人リストなど)まで収集される危険性があります。
2. 不正確または偏向した結果による誤誘導
診断ロジックが不確かであったり、特定の意図を持って設計されていたりする場合、得られる結果が不正確であったり、利用者を特定の考え方や商品・サービスに誘導するような偏った内容であったりすることがあります。例えば、「あなたの適職は〇〇!」と断定し、関連する高額なセミナーや情報商材への登録を促すケースなどが考えられます。
3. 不審なアプリのインストールやマルウェア感染のリスク
診断結果を見るために、不審なアプリケーションのインストールを求められたり、結果画面に表示されるリンクをクリックすることでマルウェア(不正なソフトウェア)に感染させられたりする危険性があります。これにより、デバイスの乗っ取り、データの盗難、更なる詐欺被害につながる可能性があります。
4. 過剰な広告表示や迷惑メールの増加
診断サイトの利用をきっかけに、ポップアップ広告が頻繁に表示されるようになったり、登録したメールアドレスに大量の迷惑メールが届くようになったりすることがあります。これは、個人情報が広告業者に渡されたり、診断サイト自体が広告表示によって収益を得ることに主眼を置いていたりする場合に起こりえます。
リスクを見極めるためのチェックポイント
これらのリスクを避けるためには、診断・テストを利用する前にいくつかの点を注意深く確認することが重要です。
チェックポイント1:提供元は信頼できるか
- 診断を提供しているウェブサイトやアカウントが、知られている企業、組織、または信頼できる個人であるかを確認します。
- ウェブサイトの場合、会社の概要や運営者情報(特定商取引法に基づく表記など)が明確に記載されているかを確認します。連絡先が明記されているかも重要なポイントです。
- SNSアカウントの場合、過去の投稿内容やフォロワーの反応を確認し、信頼性があるかを判断します。極端に新しいアカウントや、他の怪しい情報ばかりを発信しているアカウントには注意が必要です。
チェックポイント2:診断の目的は明確か
- なぜこの診断が提供されているのか、その目的がはっきりしているかを確認します。単なるエンターテイメントなのか、調査目的なのか、それとも何か特定のサービスへの誘導が目的なのかを推測します。
- 過度に大げさな診断結果や、根拠不明な断定的な表現には注意が必要です。
チェックポイント3:求められる情報の種類と量を確認する
- 診断内容に対して、求められる個人情報(氏名、生年月日、居住地、電話番号、メールアドレスなど)が過剰ではないかを確認します。単なるエンタメ診断で詳細な個人情報が必要となるのは不自然です。
- SNSアカウント連携や、友人にシェアすることを強く求められる場合も注意が必要です。
チェックポイント4:利用者の口コミや評判を調べる
- その診断・テストについて、インターネット検索やSNSで他の利用者の口コミや評判を調べてみます。「怪しい」「情報漏洩した」「迷惑メールが増えた」といった否定的な情報が見つかる場合は利用を避けるべきです。
チェックポイント5:プライバシーポリシーを確認する
- ウェブサイトの場合、個人情報の取り扱いについて記載されたプライバシーポリシーが明記されているかを確認します。どのような情報が収集され、どのように利用され、どのように保護されるのかが明確に書かれているかを確認します。記載がない、あるいは非常に分かりにくい場合は警戒が必要です。
チェックポイント6:結果表示やその後の誘導が不自然ではないか
- 診断結果を見るためだけに、別サイトへの登録や高額な支払いを求められたり、不自然なリンクのクリックを促されたりする場合は、詐欺やフィッシングの可能性があります。
- 結果内容が抽象的すぎたり、誰にでも当てはまるような内容であったりする場合も、診断としての信頼性は低いと言えるでしょう。
まとめ:賢く安全にオンライン診断・テストを利用するために
オンライン診断・テストは、適切に利用すれば楽しいツールになり得ます。しかし、その手軽さの裏には様々なリスクが潜んでいる可能性があることを常に意識しておく必要があります。
診断を利用する前には、提供元、求められる情報、口コミなどのチェックを怠らないことが重要です。少しでも不審な点があれば、安易に個人情報を入力したり、リンクをクリックしたりすることは避けてください。
インターネット上の情報を見極める力を養い、オンライン診断・テストを含む様々なデジタルコンテンツを賢く利用してまいりましょう。