SNSで友人知人がシェアした情報の信頼性 判断のポイント
はじめに
インターネット上の情報は多岐にわたり、その中には不確かなものや誤りも含まれています。特にSNSでは、友人や知人といった身近な人々が情報をシェアすることが多くあります。普段から信頼している人からの情報だからこそ、つい鵜呑みにしてしまいがちですが、時には注意が必要なケースもあります。
この記事では、SNSで友人や知人がシェアした情報の信頼性をどのように判断すればよいのか、具体的なポイントと確認方法について解説いたします。身近な情報にも冷静に向き合い、賢くインターネットを活用するための一助となれば幸いです。
なぜ身近な情報でも見極めが必要なのか
友人や知人がシェアする情報は、悪意があるものではないことがほとんどです。しかし、以下の理由から、意図せず不確かな情報が拡散される可能性があります。
- シェアした側も真偽を十分に確認していない: 友人も、その情報を他の誰かから得たり、表面だけを見て「面白そう」「役に立ちそう」と感じて深く考えずにシェアしている可能性があります。
- 情報源が不明確な場合がある: 元の情報がどこから来たものか（一次情報かどうか）、信頼できる情報源に基づいているかが曖昧なままシェアされていることがあります。
- 感情的な共感による拡散: 驚きや共感といった感情に強く訴えかける情報は、内容の真偽よりも感情を優先して反射的にシェアされやすい傾向があります。
- 個人的な体験談と普遍的な事実の混同: 友人の個人的な成功体験や感想が、誰にでも当てはまる客観的な事実のように語られている場合があります。
これらの要因により、たとえ身近な人からの情報であっても、注意深く見極める姿勢が重要になります。
SNSの友人知人情報 信頼性判断のポイント
友人や知人がSNSでシェアした情報に触れた際、以下のポイントを意識して見てみましょう。
情報源の確認
- 元の投稿はどこか: 友人がリポストやシェアをした場合、元の投稿元は誰か、どのようなアカウントかを確認します。
- 元の情報の出所: シェアされた情報自体が、さらに別の記事やウェブサイト、動画などを参照している場合、その参照元はどこかを確認します。公式サイト、公的機関、大手メディアなど、信頼できる情報源かどうかが一つの目安になります。
情報の内容を確認
- 具体的な根拠やデータはあるか: 「多くの人が成功している」「〇〇の成分がすごい」といった抽象的な表現だけでなく、具体的な数値データ、統計、研究結果、専門家の意見などが示されているかを確認します。
- 極端な主張ではないか: 「これだけで劇的に変わる」「誰でも絶対に成功する」といった、過度に楽観的、あるいは効果を保証するような表現には注意が必要です。一つの方法や情報源だけで全てが解決することは稀です。
- 感情に強く訴えかける内容か: 不安を煽ったり、強い興奮や共感を誘ったりする内容は、冷静な判断を鈍らせる可能性があります。感情的な言葉が多い場合は、一度冷静に内容を評価することが重要です。
- 個人的な体験談か客観的な事実か: 友人の「私はこれでうまくいった」「〇〇だと思う」といった個人的な体験談や意見は、その友人にとっては事実かもしれませんが、他の人にも当てはまるかは分かりません。普遍的な情報として捉えないよう区別が必要です。
他の情報源との比較
- 同じ情報が複数の信頼できる場所で確認できるか: 友人がシェアした情報と同じ内容が、他の複数の信頼できるニュースサイトや専門機関のウェブサイトなどでも報じられているかを確認します。特定のコミュニティ内だけで共有されている情報には注意が必要です。
実践！身近な情報を見極める手順
具体的な判断ポイントを踏まえ、実際にどのように情報を確認すればよいか、簡単な手順をご紹介します。
- 一旦立ち止まる: 友人からの情報でも、見た瞬間に「本当だ！」「すごい！」と鵜呑みにせず、一度立ち止まって冷静になる時間を取りましょう。
- 情報のキーワードを把握: シェアされた情報の中で、商品名、サービス名、特定の主張（例: 「〇〇という成分が癌に効く」）、イベント名など、具体的なキーワードを抜き出します。
- 別の手段で検索する: 抜き出したキーワードを使って、SNS内だけでなく、Googleなどの検索エンジンで別途検索してみます。その際、「〇〇 効果」「〇〇 嘘」「〇〇 デマ」といった検証する視点のキーワードも合わせて検索すると、様々な情報が見つかります。
- 信頼できる情報源を探す: 検索結果の中から、公的機関（消費者庁、厚生労働省など）、大学や研究機関、信頼性の高いニュースメディア、公式サイトなどの情報にアクセスします。
- 情報を比較検討する: 友人がシェアした情報と、信頼できる情報源で見つけた情報を比較します。内容が一致しているか、異なる点はないか、より詳しい情報や訂正が出ていないかなどを確認します。
- 必要であれば友人に確認: もし情報源が不明確であったり、内容に疑問を感じたりした場合は、友人に「これ、どこで見た情報？」「もう少し詳しく知りたいんだけど」など、優しく尋ねてみることも一つの方法です。
これらの手順を通じて、身近な情報であっても、その真偽や信頼性をある程度判断できるようになります。
まとめ
SNSで友人や知人がシェアする情報は、親近感があるために信頼しやすいという側面があります。しかし、シェアされた情報の全てが常に正しいとは限りません。情報を鵜呑みにせず、その情報源や内容を冷静に確認し、他の信頼できる情報と照らし合わせる習慣を身につけることが重要です。
今回ご紹介した判断ポイントや手順は、特別な知識がなくてもすぐに実践できるものです。身近な情報から見極めるスキルを磨くことで、インターネット上の様々な情報に賢く向き合うことができるようになります。デジタル情報を安全に活用するためにも、ぜひこれらの視点を日々の情報接触に取り入れてみてください。